思うこと



日々の診療で時々考えてしまうことがある。

お子さんの継続管理をしながら、予防処置を施した歯の詰め物が何度か取れて、ハイチュウや飴、ベタベタするものは避けましょうとお願いした。コンタクトカリエスができ、CRというプラスティックの詰め物になった。それがまた取れて、大きな虫歯になり神経まで近くなった。ハイチュウ、プッチョ、ガム、キャラメルそういったものは避けましょうとお話したら、「では、この子たちにはお菓子は一切食べさせるなということか」と聞かれたから、食べさせるなということではなく、食べ方、例えば時間を決めて規則正しく食べて、食べたらお茶やお水でながすこと、でも詰め物をしているのでハイチュウ、プッチョ、ガムなどベタベタしたものは避けましょうと話すと、他の子は食べているのこの子たちは我慢を強いていると怒ってしまわれた。

お子さんに発達障害があり、フルで仕事をしているお母さんは余裕がない。「この子がうるさい」「つかれる」とおっしゃる。いろいろお願いをしても、「とてもできない。兄弟もいるしこの子ばかりみてられない。」とおっしゃるが、虫歯はなくきれいに磨いてあり、歯列のことも気になっておられる。「できない」と言いながら、舌訓練の口外法の話をすると、以前、STからも言われた。こうやるんですよねと、しっかり覚えておられ、やってなかった、またやらなきゃと反省される。

良い悪いではない。

子どもへの思いは様々だ。

子どもに対する親の向かい合い方も様々で愛情は様々だと思う。考え方も様々。

小児の歯科治療やシュガーコントロール、おやつの食べ方、歯科医療者としてお伝えしなければいけないことはたくさんあるけれど、どう伝えるか、何が大切か、どこまでかかわるのか、時として難しくて考えてしまう。

私は、もう古いタイプの歯医者なのかもしれない。初めて、この仕事を続けていけるのだろうかと考えてしまった。