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小児の摂食嚥下の評価で思うこと
人は、いろいろなものを食べてそれを栄養として生きています。いろいろな食べ物を栄養として取り込むためには、食べ物の違いによって処理する方法を適応させていかねばなりません。人の食べ食べる機能は、乳幼児期に哺乳やおもちゃをお口で遊んだりしながらの体験や学習を通して獲得されていくもので、生まれてから、学習しながら発達・獲得されてくるものです。生まれる前から本能として持っているものではないのです。
ご病気があったり、さまざまに事情で意味が分からなかったり、学習することが苦手だたりすると、食べることが苦手になったりします。
摂食嚥下機能の評価や診断をするとき、何が食べることを難しくしているのか、今の機能は発達段階のどのあたりなるのかを判断せねばなりません。そして、定型発達のお子さんの摂食嚥下機能の発達段階を参考に、短期目標、長期目標を定めて、わかりやすく具体的にお教えする音が大事だと思っています。
口は身体の一部なので、粗大運動などの全身発達との関連も考えなければなりません。全身的な問題点や症状を把握したり、体力や予備能力も考えねばならないです。口の動きだけでなく、必要な栄養量や全身の運動発達、消化吸収の問題も考慮したいところです。それは、生活の中での食事の支援をするために必要な評価や診断であるべきだと考えます。
食べないから、むせるからと難しい検査をするのではなく、口腔内や口腔周囲の検査で過敏の有無、口唇の可動域、原始反射の有無、鼻呼吸など様々なところを細かく見て、必要な間接訓練、脱感作をまず行うべきなんだろうと思うんです。
そして、自己唾液の嚥下が困難だったり、肺炎などのエピソードがあったりして重篤な摂食嚥下機能障害が疑われたときに、VFやVEの検査ということになり、どちらの検査をどんな条件下で行うのかということが大事なのではないかと思うのです。
私は一開業医なので、高度な医療としてのリハビリはできませんし、高度な検査は高次医療機関にお願いをします。だからこそ、まず基本的なことを評価して、基本的なことをお教えして基本的な機能を診ていくことがとても大切と思っています。
検査も必要なことですが、まず基本的な評価と診断に立戻らなければ、検査のための検査になってしまいそうです。