血糖値500の恐怖



診療室に入ってきた姿を一目見て受付が様子のおかしい人が来院したと報告してきた。左上の顔と歯が痛い、脳神経外科に行っても止まらない、この痛みを止めてくれが主訴で興奮状態。とりあえず、即、診療室に通して口腔内を見るけど、そこまで痛くなるような歯もなくしなくも腫れてない。レントゲン取られてもらって、パノラマ撮って、そうこうやっているうちに、痛いと言ってるだろうが〜!信用しないのかー‼️と怒りだし、洋服を脱ぎ捨て始めた。

痛みの部位から心筋梗塞を疑って、隣の医院に車椅子に乗せてスタッフが連れていき、診ていた患者さんを終わらせて医院へ。この医院の院長は、私は近隣で知っている限り診断のしっかりしたすごく信頼のおけるいい先生だと思ってる。

心電図では心筋梗塞ではない。とりあえず、血液検査をしてくださっていた。

少し落ち着いたので、歯医者に連れて帰ったら、なんと腹が減ったと言い怒り出す。高齢者用の介護職があったので食べさせて、その間、ご家族に受付が電話してお迎えに来てもらった。

確かにねぇ、こんな方いるよなぁ。精神疾患ないかなぁと思いつつ、帰したら、夕方医院から電話があって、すごい糖尿病。血糖値が400超えと。

翌日、昨日の内科医院を受診させ、そこの院長が懸命に受け入れてくれる病院を探してくれて、なぜ懸命かってかかりつけ何もなくて、糖尿病あることすら知らないのですよ、入院した時は水頭症、血糖値500超え、もう少し遅かったら命はなかったと後から家族から聞いた。心臓もパンク寸前だったそう。

心臓パンク寸前ってどんなんだろう。

ともかく、聞いたこともない血糖値に、ゾゾっとしました。

痛いと喚いて服を脱いで暴れなかったら、そのまんま返してたかもしれない。

内科の先生が血液検査してくれなかったら、血糖値を測ってくれてなかったら。恐ろしい。

糖尿病すらわからないで来院する方もいます。来院した患者さんを診る目を養わないとと思った血糖値500の恐怖です。