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障害者歯科学会
若い世代に立ちはだかる障害者支援の壁という、障害者歯科学会のシンポジウム。
若い世代も、悩みは一緒で尽きないなぁと思いました。
探しながら、でもたどり着くことのない悩みなんだろう。
そうやって、悩みながらも前に向かっている方々と出会ったことは大きな励みになります。
私たちも、1人じゃないよって思えることはとても大事なんですよね。
障害者、そしてそのご家族もたどり着くことのない尽きない悩みを抱えて生活しておられる。
何年か前、ある施設でお話を頼まれた。終わって、入所者のご家族から質問がありました。
うちの兄はビールが飲みたい、肉を食べたいと言っているから、入れ歯を入れて欲しいが、どこに行っても断られる。
ここで話したあなたは、兄に入れ歯を作ってくれるのか。
できませんとは言えなかった。
来院してくださいとしか言えなかった。
即来院されましたが、アテトーゼタイプの脳性麻痺の高齢者です。知的に問題はないで、要望は強くて、苦虫を噛み潰したような表情。
断られ続けたご家族も、医療に不信感がある。
まぁ、そりゃそうだよなぁと思います。
見た目もなんとかして欲しい。食べられるようにして欲しい。
上下総義歯、でも今まで入れてないので、舌は大きい。動きは前後。舌を入れたら、ぺっと吐き出しそう。義歯にも絶対適応できないだろう。
悩んで、ふとM先生の研修会を思い出した。その時、ご提案されていた義歯があった。文献を探したけど、なかなか見つからず、当時の記憶を辿りながら「こんな義歯」を上顎だけで作りたいと、義歯が得意な主人に頼んだ。すったもんだの話し合いの末に、作ってくれることになり、完成。あとは摂食指導を行なった。
肉食べた。ビールを飲んだ。見た目が良くなったと大満足の笑顔で主人と撮った写真を、今回の学会で使ってくださった先生に心から感謝したい。
指導の時、ご家族はお弁当をこちらの指示した形態で毎回作ってきてくださった。施設の指導員さんも同行して介助の練習をしてくださった。
その最初の義歯は、次の方々の義歯に繋がって行った。
できないと言ってしまえばそれまで。0はいつまで経っても0のままだけど、1ができれば100につながる。
障害者支援ってそういうことなのかもしれない。どうしたらいいかわからない、どこに相談していいかわからない、そんな悩みはちんな一緒で尽きないけれど、まずは自分が動くことかもしれないと思う。そしたら必ず1になるし100になる。
私は当事者じゃないから、ご本人やご家族の苦しみは100%はわからない。わかるはずがない。でも、理解者と思ってもらうことはできる。そこから、生活背景のことや、ご家族のこと、ご本人のことなどの情報は集まってくる。それをまた還元していけばいい。そう思う。
何かを聞こう、何かをしようと思う時は案外うまくいかない。
支援する側とと支援を受ける者の立場の違いが出てくるから。
同じ位置に立った時、初めて見えてくるものがあるんだよね。
学会は改めて考えることのできた貴重な時間だったと帰りの新幹線の中で思い、ちょっとだらけていた自分に喝が入った。
初心に戻って、気持ちを新たに頑張ろう。