セラピーキャット



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初診の時、口の中は血だらけだった。口角も切れて縫ってあった。抜歯をむりむりしたんだろう。

精神のご病気で歯医者さんが難しかったらしい。施設の方がお連れになった時は、方向がわからなかったけど、少しづつ、治療していった。ゆっくりゆっくり、ペースに合わせて。
 
一番力になったのが、セラピーキャットのふくちゃんだった。ふくちゃんが来ると、固く冷たく緊張で固まったお体に血の気が通い暖かくなった。呼びかけにお返事もしてくださるようになった。
 
残りの抜歯をして、治療をして、義歯の型取りをして、入れ歯の完成前の合わせの日、カステラを食べてもらうことにした。
 
手にしたカステラを持って見つめていらしたけれど、ふくちゃんがぐいっと頭で手を口の方に押し上げてくれた。そして、ひとくち。美味しい。カステラ半分以上召し上がって、お茶を召し上がって嬉しそうな顔をされた。
次回、出来上がるよ。
そしたら、もっともっと美味しいものも召し上がれる。
本当に良かった。
 
回数はかかったけれど、遠くの施設から頑張って連れて来てくださった支援員さん。ありがとう、ありがとう。
完成の日は、何を召し上がっていただこう。
 
それにしても、ふくちゃん、わかってやったのかなぁ〜って、あまりのタイミングの良さにみんなで⁇です。
 
優秀なセラピーキャットに成長しました。